子供も大人もみんな大好きイチゴ。家庭菜園で甘いイチゴがたくさん取れたら素敵ですよね!苗選びから翌年の苗作りまで、プランターや鉢植えで上手にイチゴを育てる方法について紹介します。
栽培スケジュール
イチゴは4月~5月に収穫できる『一季成り』と年に複数回収穫できる『四季成り』があります。『一季成り』の方が管理が簡単で美味しいイチゴが穫れるので、このページでは一季成りをメインで紹介します。
初めてのイチゴ栽培は9月に苗を購入からスタート
店頭にイチゴの苗が並ぶのは夏が終わって涼しくなる9月下旬です。大きなホームセンターでも初回にしい入れた量が売り切れると販売終了になるケースが多く、欲しい人は定期的にホームセンターをチェックしましょう。
たくさん収穫する方法
イチゴを育ててみて『あれ?たったこれだけしか採れないの•••?』と思う人がとても多いです。
それもそのはず、1つの苗からは10個程度、多くても20個程度しか実を採ることが出来ません。
しかも、1つしか苗を植えないと1ヶ月の収穫最盛期に10個程度しか採れないので『全然取れなかった•••』という感想になりやすいのです。
豊作にするにはたくさん植えるのが最も簡単
1つの苗から10個以上の実を取ることも出来なくはないですが、水や肥料、温度などの管理を厳密にしなくてはいけない為、お手軽感がうすくなります。
家庭菜園でたくさんイチゴを収穫するには、苗をたくさん用意するのが最も簡単です!
苗を10個用意すれば最低限100個の収穫が見込めます。苗20個なら200個、苗30個なら300個の収穫が見込めます。スペースの限りプランターを並べてやる事で大量収穫が楽しめますよ!
一季成りと四季成り
イチゴの苗には年に1度だけ実をつける『一季成り』と年に複数回実をつける『四季成り』があります。
一季成りは初心者におすすめ
一季成りは害虫が少なく気温も手頃な春先のみに実をつけます。管理がとても楽で綺麗で甘いイチゴを収穫しやすいのが特徴です。成功しやすいので初心者から上級者まで等しくおすすめの苗です。上で挙げた4品種は特に有名なものでホームセンターなどで簡単に手に入ります。ただし、時期を逃してしまうと売り切れてしまいます。もしも買い逃したらネット通販で即ゲットしましょう。少しぐらい植え付けが遅くなってもイチゴは実をつけるまでの期間が長いので大丈夫です。
四季成りはお得だが管理は難しい
四季成りは冬以外の季節は全て実がなります。一季成りよりお得なのですが、春先以外で上手に実を育てるのは上級者でも難しいです。
夏場になると暑さで実が痛みやすくなり、害虫も増えます。年中収穫するには株の状態を定期的に確認して肥料の量や摘果(あえて育つ前の実を落とすこと)などをしなければなりません。
この為、四季成りのイチゴは管理を小まめに出来る上級者向けの苗です。初心者の方は一季成りから入られるのが良いでしょう。
道具の用意
イチゴを上手に育てる為に必要な道具は以下の通りです。
ストロベリーポッド
イチゴを育てるなら是非おすすめしたい専用プランターです。イチゴの実だけを縁から垂らして傷ませることなく育てることが出来る優れものです。たくさんのイチゴが垂れ下がるストロベリーポッドはとっても可愛くて映えます!
培養土
一般的な培養土でも酸度を確認して調整できれば十分です。めんどうならイチゴ用を買えば調整不要でそのまま育て始めることが出来ます。
イチゴ用肥料
イチゴの肥料はリン多め(窒素6、リン7、カリ4)の配合がおすすめです。
移植ごて
土を移したり固めたり。一つ持っていると便利です。
ガーデニンググローブ
手荒れする人は必須です。爪の間に土が入ったりすると中々取れなかったりするので、装着するのをおすすめします。
ジョウロ
水やりに必須です。注ぎ口に蓋ができるタカギ製が神です。
不織布orネットと小石
鉢の底に穴が空いているタイプは土が漏れてしまうので、不織布やネットに小石を詰めて敷き詰めます。
防虫スプレー
イチゴは春先に育てるため、比較的虫は少ない時期ですが、それでも一度発生すると一気に枯れてしまう可能性もあります。早期対応できるようにスプレーを準備しておきましょう。
ベニカマイルドスプレーは食品成分で収穫前日まで使えて回数制限もない安心素材です。効き目や効果期間が控えめなので頻繁に散布して上げる必要があります。
ベニカグリーンVスプレーは薬剤が使用されており、イチゴは3回までの使用制限があります。その代わり効き目が強く長持ちしてくれます。
どちらも害虫対策には効果がありますので、お好みで選んでOKです。
土壌の準備
酸度調整
市販の培養土を使用せず、畑の土を再利用する場合、必ず酸度をチェックしましょう。イチゴは中性(PH7.0前後)を好みます。酸度計を使って測定してみて、酸性になっている場合は苦土石灰を撒いて中性に近づけましょう。
肥料は中に混ぜない
イチゴの根は肥料に触れると簡単に負けて萎れてしまいます。土が大量に用意出来ないプランターや鉢植えには肥料は混ぜ込まず、植えてから最後に土の上に添える方式がおすすめなので、はじめに混ぜ込まないようにしましょう。
植え付け
鉢底石をセットする
ストロベリーポッドの側面には穴が空いています。このままでは土が流れ出てしまうのでネットや不織布に小石を入れて、土が流れ出ないようにしてあげましょう。この小石を『鉢底石』と呼びます。そのあたりに転がっている石で十分なので買う必要はないですよ!
ストロベリーポッドに土を満たす
移植ゴテなどを使ってプランターに土を満たしていきます。
表面を軽く叩いて押し固めます。
上手に出来ましたね!
穴を開けて植え付ける
ストロベリーポットに一度満タンまで土を入れてから、苗の分だけ抜き取ります。
成長点(クラウン)に気をつけよう
苗を取り扱うときは根元にある成長点(クラウン)に土がかからないように注意します。土が被ったり傷つくと成長しにくくなります。
苗を穴に植える
苗の根本を優しく指先でつまみます。
育苗ポットの底を押し込んで上げると苗が落ちてきますので手で受け止めてあげます。
そーっと育苗ポットを引き上げていきます。
苗が取り出せました!
崩れないように両手で支えて穴まで持っていきます。たとえ崩れてしまっても根が切れなければ問題ありません。
無事に苗が穴へ着地しました!
しっかり押さえてポットの土を密着させる
水をたっぷり与える
植え付けてすぐのイチゴは土が馴染まず根が縮こまっています。たっぷり水を与える事で土を柔らかくして根が広がりやすくしてやる事ができます。
肥料は苗から離した所に上置きする
イチゴの根は肥料に触れると枯れてしまう事があります。土の量が少ないプランターだと肥料に触れる確率が上がってしまうので培養土に混ぜず、苗から離した位置に上置きすればOKです。雨で肥料が崩れ、成分が浸透しますので上置きでも十分効果を発揮してくれます。
水やりは乾いた時に行う
植えた後の水やりは、土の表面が乾いたらあげる程度でOKです。あまり水をあげすぎると根が傷んでしまうので、秋口は1日1回程度、更に気温が下がってきたら2日~3日に1回程度で十分です。
追肥①
追肥の1回目は2月末から3月頭に行います。この時も株から離した位置に上置きすればOKです。
追肥②
追肥の2回目は3月末から4月頭に行います。1回目のときから約1ヶ月後にあげればOKです。
害虫対策
暖かくなってくると害虫発生の可能性が出てきます。4月上旬頃に害虫対策スプレーを散布しておきましょう。ベニカマイルドスプレーの場合は週に1回程度散布を続けると効果的です。ベニカグリーンVスプレーの場合は4月、5月の頭にそれぞれ1回ずつ散布しましょう。また、スプレーを散布したらその日は収穫は行わず、翌日にしましょう。
開花
4月末頃から順次花が咲き始め、受粉したものから順次実が出来てきます。
摘果
イチゴはすべての花に受粉すると写真のようにたくさんのいちごが鈴なりに出来ます。すべてそのまま育てると写真のように小さなイチゴも出来ます。一粒を大きく育てたい場合、花をいくつか間引きする(摘果)ことで意図的に大きなイチゴを育てることが出来ます。小さくてもたくさんのイチゴを作るか、大きなイチゴを育てるかはお好みで決めてみましょう。このあたりが選べるのが家庭菜園の醍醐味でもありますね。
収穫
真っ赤に実ったらいよいよ収穫です!子供さんがいる場合はぜひイチゴ狩りを楽しませてあげましょう!自分のおうちで穫れた完熟イチゴの味は一生忘れられない思い出になりますよ!
種•苗の作り方
イチゴの苗は簡単に増やすことが出来ます。1年目で美味しかったイチゴは苗を買い直すことなく、来年も同じものを作ることが可能です。苗の近くに写真のように大きめのポットに土を入れて準備します。イチゴから長い茎(ランナー)が伸びてきますので、葉っぱと根が出ている節がちょうどポットに来るように置いて、石やピンなどで軽く固定します。
しばらく放置しておくとポットに根付きますので、これを繰り返して2つ、3つと節をポットに根付かせていきます。必要な数の苗が確保できて、しっかり根付いたらランナーを切り取って独立させます。1つ目の株は親株がかかった病気をもらっている可能性が高いため、2つ目以降の苗を使用しましょう。
イチゴ栽培にレッツトライ!
イチゴの育て方はいかがでしたか?イチゴは美味しくって愛らしい上に、作り方もとっても簡単です。収穫した後もランナーを伸ばして翌年の苗を作ったりと、家庭菜園ならではの楽しみ方ができるので、初めての人にこそおすすめしたい入門野菜です。
かくいう私も、子供とイチゴを作ってみたい!と思ったのが家庭菜園のきっかけでした。そして、きれいな真っ赤なイチゴが実ったときの子供の嬉しそうな顔は今でも忘れられない、素晴らしい思い出になりました。家庭菜園をイチゴで始めてみようかな?とお考えの方はベストアイデアです!ぜひイチゴ栽培楽しんでみてください!